混合性結合組織病と慢性甲状腺炎を合併した自己免疫性肝炎の1例
症例は42歳女性. 1980年に筋痛症, 手指の伸展障害を主訴に入院. ループス様紅斑, レイノー症状, 手指のソーセージ様腫脹, 筋原性酵素の上昇, 抗U1-RNP抗体強陽性, 抗Sm抗体陰性および筋生検所見より混合性結合組織病と診断した. 同時に甲状腺機能低下, 抗甲状腺マイクロゾーム抗体陽性より慢性甲状腺炎の合併と診断し, prednisolone および levothyroxine sodium による治療を開始した. Prednisolone は約6カ月間の服用にて漸減中止した. 1999年2月に肝機能異常が出現し, 抗核抗体2560倍, 抗平滑筋抗体80倍より自己免疫性肝炎の合併を...
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Published in | 肝臓 Vol. 43; no. 5; pp. 232 - 237 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
2002
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Subjects | |
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Summary: | 症例は42歳女性. 1980年に筋痛症, 手指の伸展障害を主訴に入院. ループス様紅斑, レイノー症状, 手指のソーセージ様腫脹, 筋原性酵素の上昇, 抗U1-RNP抗体強陽性, 抗Sm抗体陰性および筋生検所見より混合性結合組織病と診断した. 同時に甲状腺機能低下, 抗甲状腺マイクロゾーム抗体陽性より慢性甲状腺炎の合併と診断し, prednisolone および levothyroxine sodium による治療を開始した. Prednisolone は約6カ月間の服用にて漸減中止した. 1999年2月に肝機能異常が出現し, 抗核抗体2560倍, 抗平滑筋抗体80倍より自己免疫性肝炎の合併を考え肝生検を施行, 慢性活動性肝炎の存在が確認された. 治療前のCD4/CD8比は1.8と軽度異常であった. Prednisolone による治療により肝機能障害は速やかに改善した. 混合性結合組織病, 慢性甲状腺炎の診断後19年という長期経過観察中に自己免疫性肝炎を発症した症例であり, 示唆に富むと考え報告した. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.43.232 |