再生セルロース-活性炭系膜の吸着特性

血液直接灌流への目的のために, 活性炭を固定化させた非対称再生セルロース膜の吸着特性を, 種々の条件下で検討した. 活性炭を固定化した再生セルロース膜は, 酢酸セルロース-アセトンーホルムアミドー活性炭系から得た酢酸セルロース膜を加水分解して得た. 吸着特性はキャスト液溶媒のアセトン (A) とホルムアミド (FA) の割合, 活性炭添加量, 溶媒蒸発時間に著しく影響された. 溶媒組成比A/FA=1/1, 活性炭添加量7.5g/100gキャスト液, 蒸発時間60秒が最適成膜条件であることを見いだした. また, BSP吸着率は成膜温度およびゲル化温度にも影響され, いずれも7℃より25℃の時の方...

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Published in高分子論文集 Vol. 36; no. 4; pp. 241 - 247
Main Authors 田村, 正博, 浦上, 忠, 杉原, 瑞穂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 1979
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Summary:血液直接灌流への目的のために, 活性炭を固定化させた非対称再生セルロース膜の吸着特性を, 種々の条件下で検討した. 活性炭を固定化した再生セルロース膜は, 酢酸セルロース-アセトンーホルムアミドー活性炭系から得た酢酸セルロース膜を加水分解して得た. 吸着特性はキャスト液溶媒のアセトン (A) とホルムアミド (FA) の割合, 活性炭添加量, 溶媒蒸発時間に著しく影響された. 溶媒組成比A/FA=1/1, 活性炭添加量7.5g/100gキャスト液, 蒸発時間60秒が最適成膜条件であることを見いだした. また, BSP吸着率は成膜温度およびゲル化温度にも影響され, いずれも7℃より25℃の時の方が優れていた. 透過原液にアルブミンとBSPの混合溶液を用いた時, アルブミンはほとんど吸着されずにBSPのみ吸着され, 透過 (吸着) 溶質は膜のボアサイズによって決定された. 煮沸洗浄を繰り返すと溶出物はなくなり, 同時に滅菌も可能になった. 上記の諸現象を生成した護および原液の物理的ならびに化学的性質の観点から考察した.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.36.241