九州歯科大学附属病院顎関節症科における新患の臨床統計学的観察および一次診断に基づいた治療の評価
「緒言」顎関節症患者は咀嚼筋障害, 関節包, 靭帯障害, 関節円板障害, 変形性関節症などの様々な病態が単独で, または複合して存在し, その治療法も薬物療法, スプリント療法, 理学療法など多岐にわたるため, 治療成績を評価するには病態の整理と治療体系の評価が必要である. 九州歯科大学附属病院においては, 近年の顎関節症患者の増加および治療のニーズの高まりを反映して, 各科連携のチームアプローチによる顎関節症患者の治療を行ってきた. そこで, 今回, 当科における顎関節症治療の現状の把握と結果の評価, ならびに今後の改善点について検討するために, 臨床統計学的調査を行ったので報告する. 対象...
Saved in:
Published in | 九州歯科学会雑誌 Vol. 58; no. 4; pp. 111 - 116 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
九州歯科学会
2004
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0368-6833 1880-8719 |
DOI | 10.2504/kds.58.111 |
Cover
Summary: | 「緒言」顎関節症患者は咀嚼筋障害, 関節包, 靭帯障害, 関節円板障害, 変形性関節症などの様々な病態が単独で, または複合して存在し, その治療法も薬物療法, スプリント療法, 理学療法など多岐にわたるため, 治療成績を評価するには病態の整理と治療体系の評価が必要である. 九州歯科大学附属病院においては, 近年の顎関節症患者の増加および治療のニーズの高まりを反映して, 各科連携のチームアプローチによる顎関節症患者の治療を行ってきた. そこで, 今回, 当科における顎関節症治療の現状の把握と結果の評価, ならびに今後の改善点について検討するために, 臨床統計学的調査を行ったので報告する. 対象および方法 今回の調査対象は, 2003年4月1日から2004年3月31日までの1年間に顎関節症科を受診し, 診断, 治療を行った新患顎関節症患者159名を対象に, 性別, 年齢別分布, 紹介元分布について検討した. また, 主訴, 治療方法, 治療期間などについては症型別に比較し, 検討した. 結果 1. 新患患者数の推移について 2003年度の総新患患者数は159名であった. 過去の新患患者数と比較すると, 2000年度は168名, 2001年度は187名, 2002年度は204名と, 増加傾向を示したが本年度はやや減少した(図1). |
---|---|
ISSN: | 0368-6833 1880-8719 |
DOI: | 10.2504/kds.58.111 |