各種肝疾患における血中免疫複合体の臨床的意義およびB型肝疾患におけるHBs抗原,HBe抗原含有免疫複合体の同定について
Raji cell assayを用いて各種肝疾患における血中免疫複合体(CIC)の出現頻度,疾患活動性との関連について検討し,さらにB型肝疾患についてはPEG-trypsinisation assayによりHBs抗原,HBe抗原含有免疫複合体の検出を試みた.Raji cell assayによるCICの陽性率は急性ウイルス肝炎(AVH) 34.2%(A型29.4%, B型41.7%,非A非B型33.7%),慢性肝炎(活動性)(CAH) 33.3%,慢性肝炎(非活動性)(CIH) 20.0%,肝硬変(LC) 28.1%,肝細胞癌(HCC) 33.3%,無症候性HBs抗原キャリア(ASC) 10.7...
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Published in | 肝臓 Vol. 25; no. 2; pp. 168 - 177 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
1984
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Subjects | |
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ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.25.168 |
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Summary: | Raji cell assayを用いて各種肝疾患における血中免疫複合体(CIC)の出現頻度,疾患活動性との関連について検討し,さらにB型肝疾患についてはPEG-trypsinisation assayによりHBs抗原,HBe抗原含有免疫複合体の検出を試みた.Raji cell assayによるCICの陽性率は急性ウイルス肝炎(AVH) 34.2%(A型29.4%, B型41.7%,非A非B型33.7%),慢性肝炎(活動性)(CAH) 33.3%,慢性肝炎(非活動性)(CIH) 20.0%,肝硬変(LC) 28.1%,肝細胞癌(HCC) 33.3%,無症候性HBs抗原キャリア(ASC) 10.7%,アルコール性肝障害30.0%,原発性胆汁性肝硬変(PBC) 60.0%でPBCで最も高率であった.各種B型肝疾患では2法によるCICの検出率は高い一致率を示し,CIC陽性例ではHBs抗原が高頻度に含有されていることが明らかになった.HBe抗原含有免疫複合体はAVH, CAH各1例に一過性に検出されたにすぎないが,HBs抗原含有免疫複合体は血中HBe抗原陽性例で高頻度に出現したことから疾患活動性との関連が示唆された. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.25.168 |