日本住血吸虫症の肝CT像の特徴

日本住血吸虫症性肝硬変7例および日本住血吸虫症性肝硬変合併肝細胞癌7例の計14例の肝CT像の検討を行なった.また剖検肝のCTを行ない,CT所見と病理所見を比較検討した.14例のCT像は4例にhigh densityの索状影,3例にhigh densityの点状影,7例に両者の混合影が描出された.これらの陰影はcontrast enhancementで変化を認めなかった.索状影および混合影は肝辺縁を含む肝両葉に描出され,点状影は右葉のみに描出された.Plain CT像で混合影を含む索状影が亀甲状を形成する8例では,亀甲状に取り囲まれた肝組織はいかにも肝占拠性病変のように描出された.特に索状影著明...

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Published in肝臓 Vol. 25; no. 6; pp. 766 - 772
Main Authors 谷川, 久一, 川上, 克幸, 二宮, 冬彦, 久保, 保彦, 下川, 泰, 酒井, 輝文, 荒川, 正博, 酒見, 泰介, 神代, 正道, 平井, 賢治, 熊谷, 雅信, 真島, 康雄, 阿部, 正秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 1984
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.25.766

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Summary:日本住血吸虫症性肝硬変7例および日本住血吸虫症性肝硬変合併肝細胞癌7例の計14例の肝CT像の検討を行なった.また剖検肝のCTを行ない,CT所見と病理所見を比較検討した.14例のCT像は4例にhigh densityの索状影,3例にhigh densityの点状影,7例に両者の混合影が描出された.これらの陰影はcontrast enhancementで変化を認めなかった.索状影および混合影は肝辺縁を含む肝両葉に描出され,点状影は右葉のみに描出された.Plain CT像で混合影を含む索状影が亀甲状を形成する8例では,亀甲状に取り囲まれた肝組織はいかにも肝占拠性病変のように描出された.特に索状影著明例では癌合併の診断は困難で,血管造影を必要とした. 剖検肝はそのCT像でhigh densityの索状影が摘出され,CT像とほぼ同一面の連続切片を作製した結果,high densityの索状影は幅広い結合織内に多数存在する石灰化した虫卵を表わしていると思われた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.25.766