ドレナージにて救命したdescending necrotizing mediastinitisの2例

急性縦隔炎は,心・大血管手術後の合併症として認められることが多いが,頭頸部の感染性疾患が波及したdescending necrotizing mediastinitis (以下, DNMと略す)も早期に敗血症に移行し致命率の高い疾患として報告されている.われわれは, DNMの2例を経験しこれを救命した.症例1は, 65歳,男性.歯肉炎より急性縦隔炎となり,頸部ドレナージで治癒した.症例2は, 46歳,男性.急性扁桃腺炎より急性縦隔炎より急性縦隔炎となり,頸部切開ドレナージでは軽快せず,胸腔鏡下に膿瘍切開ドレナージを施行し治癒した.急性縦隔炎の早期診断には, CTが有用であり積極的に利用すべきで...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 59; no. 1; pp. 104 - 107
Main Authors 川真田, 修, 青山, 正博, 佐藤, 四三, 中島, 晃, 鍋山, 晃
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 1998
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Summary:急性縦隔炎は,心・大血管手術後の合併症として認められることが多いが,頭頸部の感染性疾患が波及したdescending necrotizing mediastinitis (以下, DNMと略す)も早期に敗血症に移行し致命率の高い疾患として報告されている.われわれは, DNMの2例を経験しこれを救命した.症例1は, 65歳,男性.歯肉炎より急性縦隔炎となり,頸部ドレナージで治癒した.症例2は, 46歳,男性.急性扁桃腺炎より急性縦隔炎より急性縦隔炎となり,頸部切開ドレナージでは軽快せず,胸腔鏡下に膿瘍切開ドレナージを施行し治癒した.急性縦隔炎の早期診断には, CTが有用であり積極的に利用すべきであると思われた.急性縦隔炎に対するドレナージは,頸部からのみではなく多方向からのドレナージが救命率を上げると思われ,胸腔鏡下切開・排膿・ドレナージが低侵襲であり有効であると思われた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.59.104