C1後弓切除術後の前弓骨折

症例は82歳男性,環軸椎亜脱臼に対して当科でC1後弓切除術を施行した.ソフトカラーを装着して自宅退院となるも,術後5週経過時に自宅で歯磨きをしようとした際に頚部痛により体動困難となり当院救急搬送となった.頚椎開口位X線を坐位・仰臥位で精査すると,右優位にC1外側縁がC2外側縁より外側へ逸脱してC1/2椎間関節面の適合性が損なわれていた.坐位では外側塊の逸脱がより顕著でC1前弓骨折を疑った.CTでC1右前弓に新規骨折線を認めた.オルソカラーへ変更して4週間の床上安静で対応した.当院での2009~2017年のC1後弓切除症例に対し画像を再検討すると,本症例も含めて10例中4例で前弓骨折を認めていた...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 69; no. 2; pp. 365 - 368
Main Authors 但馬, 祐季, 宮原, 寿明, 春田, 陽平, 小原, 伸夫, 高須, 博士, 宮崎, 清, 寺田, 和正, 福島, 庸介, 小松, 孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2020
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.69.365

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Summary:症例は82歳男性,環軸椎亜脱臼に対して当科でC1後弓切除術を施行した.ソフトカラーを装着して自宅退院となるも,術後5週経過時に自宅で歯磨きをしようとした際に頚部痛により体動困難となり当院救急搬送となった.頚椎開口位X線を坐位・仰臥位で精査すると,右優位にC1外側縁がC2外側縁より外側へ逸脱してC1/2椎間関節面の適合性が損なわれていた.坐位では外側塊の逸脱がより顕著でC1前弓骨折を疑った.CTでC1右前弓に新規骨折線を認めた.オルソカラーへ変更して4週間の床上安静で対応した.当院での2009~2017年のC1後弓切除症例に対し画像を再検討すると,本症例も含めて10例中4例で前弓骨折を認めていた.全例外来フォロー中に後頭部~頚部痛の増強を認めていた.C1後弓切除後に頚部痛の増悪を認めた際に,荷重位の頚椎開口位X線でC1/2椎間関節部の適合性を確認することは診断に有用と考えられた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.69.365