副乳癌の1例

副乳癌は乳癌に対し0.2%~0.6%の頻度で認められる.今回,左の腋窩に発生した副乳癌の1例を経験したので報告する. 症例は50歳,女性.左腋窩腫瘤を主訴に近医を受診し,腫瘤の摘出生検を受け,真皮から皮下域にかけての境界不明瞭な浸潤癌と腫瘍周囲に残存する正常の乳腺を認めた.副乳癌が疑われ,切除断端が不明であったため,追加切除の目的にて当科紹介された.左腋窩局所切除および左腋窩リンパ節郭清を施行した.切除標本では,摘出生検後の肉芽組織のみで,腫瘍の遺残は認めず,本来の乳腺組織との連続性はみられず,副乳癌と診断した. 自験例を含む本邦報告93例を集計し検討を加えた....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 65; no. 2; pp. 341 - 344
Main Authors 矢野, 浩司, 堀木, 貞幸, 岡本, 茂, 武元, 浩敏, 中野, 芳明, 門田, 卓士
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2004
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.65.341

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Summary:副乳癌は乳癌に対し0.2%~0.6%の頻度で認められる.今回,左の腋窩に発生した副乳癌の1例を経験したので報告する. 症例は50歳,女性.左腋窩腫瘤を主訴に近医を受診し,腫瘤の摘出生検を受け,真皮から皮下域にかけての境界不明瞭な浸潤癌と腫瘍周囲に残存する正常の乳腺を認めた.副乳癌が疑われ,切除断端が不明であったため,追加切除の目的にて当科紹介された.左腋窩局所切除および左腋窩リンパ節郭清を施行した.切除標本では,摘出生検後の肉芽組織のみで,腫瘍の遺残は認めず,本来の乳腺組織との連続性はみられず,副乳癌と診断した. 自験例を含む本邦報告93例を集計し検討を加えた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.65.341