胆膵領域の内視鏡

現在, 膵胆関連の内視鏡はERCPがスタンダードであり, 膵管・胆管の造影, それに続く治療手技が中心となっている. この胆膵領域の内視鏡開発の歴史をたどる. 当初, Duodenoscopeの開発が必要とされた理由としては, 当時の胃内視鏡は側視で鉗子孔が左側にありカニュレーションに不向きであったこと, 下行脚へ挿入ができないこと, 硬くて押し込みができないこと, 先端部の硬性部が長いこと, アングル操作が2方向しかないことが挙げられる. このため, 開発のポイントとして, 胃のファイバースコープよりも少し長く, 先端金属部分は短く, 先端蛇管が柔らかく, 鉗子孔は右側で起上装置が必要とされ...

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Bibliographic Details
Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 87; no. Supplement2; pp. s169 - s170
Main Author 藤田, 力也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2015
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.87.Supplement2_s169

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Summary:現在, 膵胆関連の内視鏡はERCPがスタンダードであり, 膵管・胆管の造影, それに続く治療手技が中心となっている. この胆膵領域の内視鏡開発の歴史をたどる. 当初, Duodenoscopeの開発が必要とされた理由としては, 当時の胃内視鏡は側視で鉗子孔が左側にありカニュレーションに不向きであったこと, 下行脚へ挿入ができないこと, 硬くて押し込みができないこと, 先端部の硬性部が長いこと, アングル操作が2方向しかないことが挙げられる. このため, 開発のポイントとして, 胃のファイバースコープよりも少し長く, 先端金属部分は短く, 先端蛇管が柔らかく, 鉗子孔は右側で起上装置が必要とされた. 何よりも大切だったのは, 追従性のよい蛇管構造であった. 最初は1958年にアメリカから, ACMI, Eder-typeのファイバースコープがHirschowitzにより報告された. 1966年にRabinovが内視鏡を使わないカニュレーションを報告し, 1968年にMcCuneが初のERCPを報告したが, まだ写真が非常に不鮮明なものであった.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.87.Supplement2_s169