内腹斜筋茎腸骨・腹直筋連合皮弁による下顎再建

舌再建には腹直筋皮弁が望ましいが骨弁を有さない.Taylorの腸骨皮弁は茎が短く皮弁への血流が安定しない.我々は深腸骨回旋動脈と血管吻合する腸腰動脈腸骨枝領域で腸骨皮弁を挙上し血管茎を長くした.今回我々は深腸骨回旋動脈上行枝が, 内腹斜筋の内側に分布, 臍周辺から放射状に分布する下腹壁動脈の枝との吻合を利用, 内腹斜筋茎腸骨―腹直筋連合皮弁を開発した. 本皮弁は皮島を臍と腸骨の間に置けば腸骨採取するだけで簡便に挙上でき, 内腹斜筋は薄く皮島と骨弁の位置の自由度も大きい.腹直筋皮弁は薄くも厚くも挙上でき, 腸骨は厚く適度に弯曲し充分な長さが採取できる.皮弁挙上には体位変換不要で原発部位と2チーム...

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Published inStomato-pharyngology Vol. 12; no. 3; pp. 313 - 319
Main Authors 亀井, 壮太郎, 小山, 新一郎, 竹市, 夢二, 花井, 信広, 村上, 信五, 鈴木, 賢二, 多田, 宏行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔・咽頭科学会 2000
Japan Society of Stomato-pharyngology
Subjects
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ISSN0917-5105
1884-4316
DOI10.14821/stomatopharyngology1989.12.313

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Summary:舌再建には腹直筋皮弁が望ましいが骨弁を有さない.Taylorの腸骨皮弁は茎が短く皮弁への血流が安定しない.我々は深腸骨回旋動脈と血管吻合する腸腰動脈腸骨枝領域で腸骨皮弁を挙上し血管茎を長くした.今回我々は深腸骨回旋動脈上行枝が, 内腹斜筋の内側に分布, 臍周辺から放射状に分布する下腹壁動脈の枝との吻合を利用, 内腹斜筋茎腸骨―腹直筋連合皮弁を開発した. 本皮弁は皮島を臍と腸骨の間に置けば腸骨採取するだけで簡便に挙上でき, 内腹斜筋は薄く皮島と骨弁の位置の自由度も大きい.腹直筋皮弁は薄くも厚くも挙上でき, 腸骨は厚く適度に弯曲し充分な長さが採取できる.皮弁挙上には体位変換不要で原発部位と2チーム手術可能である.我々はさらに側頭筋移行を行い再建舌を引き上げ動的補助再建を行っている.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology1989.12.313