扁桃周囲膿瘍入院患者の臨床統計的研究
1996年1月から2002年12月までの7年間に, 扁桃周囲膿瘍にて入院した156例につき懐古的に検討した. また同期間に経験した深頸部感染症例98例についても同様に検討した. 男性102例, 女性54例で, 年齢は20歳台が49例31%, 30歳台が37例24%でこの年代が半数以上を占めた. 10歳以下は5例3%と少数であった. 発症から入院までの期間に関して, 65歳以上の群と64歳以下の群で比較したが, 前者は有意に短縮した (平均2.5日vs. 5.75日). 症状改善までの期間においても, 65歳以上群は有意な短縮を認めた (3日vs. 4.4日). 入院期間の検討では, 性別, 年...
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Published in | Stomato-pharyngology Vol. 18; no. 3; pp. 421 - 428 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本口腔・咽頭科学会
2006
Japan Society of Stomato-pharyngology |
Subjects | |
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ISSN | 0917-5105 1884-4316 |
DOI | 10.14821/stomatopharyngology1989.18.421 |
Cover
Summary: | 1996年1月から2002年12月までの7年間に, 扁桃周囲膿瘍にて入院した156例につき懐古的に検討した. また同期間に経験した深頸部感染症例98例についても同様に検討した. 男性102例, 女性54例で, 年齢は20歳台が49例31%, 30歳台が37例24%でこの年代が半数以上を占めた. 10歳以下は5例3%と少数であった. 発症から入院までの期間に関して, 65歳以上の群と64歳以下の群で比較したが, 前者は有意に短縮した (平均2.5日vs. 5.75日). 症状改善までの期間においても, 65歳以上群は有意な短縮を認めた (3日vs. 4.4日). 入院期間の検討では, 性別, 年齢, 治療方法で差異を認めなかった. 深頸部感染症は14.5日で, 扁桃周囲膿瘍の7.7日と比較して, 入院期間は約2倍に延長した. 65歳以上では発症から入院までの期間, 症状改善までの期間が有意に短く, 早期治療が寄与したものと考える. 入院期間の検討結果より深頸部感染症に発展する前段階での扁桃周囲膿瘍治療の重要性を再確認した. |
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ISSN: | 0917-5105 1884-4316 |
DOI: | 10.14821/stomatopharyngology1989.18.421 |