精神遅滞児の親訓練プログラムの開発とその効果に関する研究(原著)

われわれは行動療法に基づいた精神遅滞児の親のための親訓練プログラム(HPSTプログラム)を開発した。本プログラムは10セッションからなっている。プログラムは集団と個別形式からなり,内容は視聴覚教材を多用した講義の集団訓練と家庭での実践をもとにした個別訓練で構成されている。このプログラムの効果研究の対象者は精神遅滞児をもつ母親36名であった。訓練の効果は参加前,参加後,終了2ヵ月後,6ヵ月後,1年後の各段階で測定された。その結果,訓練対象とした子どもの行動は改善し,親の養育技術の知識は増加し,親のストレスと抑うっは軽減した。またそれらの変化は治療終了後も維持された。以上からこのプログラムは有効で...

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Published in行動療法研究 Vol. 21; no. 1; pp. 25 - 38
Main Authors 大隈, 紘子, 陣内, 咲子, 中野, 俊明, 伊藤, 啓介, 山上, 敏子, 福田, 恭介, 免田, 賢, 温泉, 美雪
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本認知・行動療法学会 31.03.1995
日本行動療法学会
Subjects
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ISSN0910-6529
2424-2594
DOI10.24468/jjbt.21.1_25

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Summary:われわれは行動療法に基づいた精神遅滞児の親のための親訓練プログラム(HPSTプログラム)を開発した。本プログラムは10セッションからなっている。プログラムは集団と個別形式からなり,内容は視聴覚教材を多用した講義の集団訓練と家庭での実践をもとにした個別訓練で構成されている。このプログラムの効果研究の対象者は精神遅滞児をもつ母親36名であった。訓練の効果は参加前,参加後,終了2ヵ月後,6ヵ月後,1年後の各段階で測定された。その結果,訓練対象とした子どもの行動は改善し,親の養育技術の知識は増加し,親のストレスと抑うっは軽減した。またそれらの変化は治療終了後も維持された。以上からこのプログラムは有効であることが明らかである。
ISSN:0910-6529
2424-2594
DOI:10.24468/jjbt.21.1_25