クラウチングスタートからの1歩目支持期における下腿三頭筋の動態について 筋骨格モデルを用いたシミュレーションからの検討

「I 緒言」 陸上競技の100m走において, 最大疾走速度と100m走タイムとの間に非常に高い有意な相関関係が認められているため(松尾ほか, 2008), スプリンターにとって, 最大疾走速度を高めることは最大の課題といえる(Muller, 1991). しかし, レース中の走速度は, 100m走タイムにかかわらず5-6秒で最大になることが明らかになっており(天野, 2012), 短時間でより大きな走速度を獲得する能力(以下「加速能力」と略す)が100m走のパフォーマンスに大きく影響しているといえる. スプリンターが身体を加速させるためには, 筋張力由来の関節トルクにより, 地面に対して合目的...

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Published in体育学研究 Vol. 65; pp. 563 - 577
Main Authors 大島, 雄治, 藤井, 範久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体育学会 2020
日本体育学会
Subjects
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ISSN0484-6710
1881-7718
DOI10.5432/jjpehss.19116

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Summary:「I 緒言」 陸上競技の100m走において, 最大疾走速度と100m走タイムとの間に非常に高い有意な相関関係が認められているため(松尾ほか, 2008), スプリンターにとって, 最大疾走速度を高めることは最大の課題といえる(Muller, 1991). しかし, レース中の走速度は, 100m走タイムにかかわらず5-6秒で最大になることが明らかになっており(天野, 2012), 短時間でより大きな走速度を獲得する能力(以下「加速能力」と略す)が100m走のパフォーマンスに大きく影響しているといえる. スプリンターが身体を加速させるためには, 筋張力由来の関節トルクにより, 地面に対して合目的的に力を加える必要がある. また, ある姿勢において, スプリンターが発揮した関節トルクと地面反力の関係は運動方程式から解析的に調べることが可能であり, 加速局面において, 足関節底屈トルクが, 主に地面反力を生成していることが明らかになっている(Koike and Nagai, 2015).
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.19116