マテリアルリスク指標とその応用

原子力発電,化学プラントなどの機器用材料の素材採集時の鉱石採掘などによって環境破壊が生じる.また,それらの材料製造中に発生するCO2,SOx,および NOx による大気汚染が地球環境に影響をおよぼす.地球環境を大きく変えない持続的社会を形成するために, 機器設計時の材料評価にマテリアルリスク指標が提案されている.その指標は,資源の持続的供給,製造時の環境変動,そして毒性の 3 種類のリスクから成っており,それぞれのリスクに関係する因子の数値が示されている.  本報告では,これらの指標のデータ構造を決定した後,リスク指標のデータベースを試作し,Web で提供されている耐熱材料の特性との関係を調べ...

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Published in情報知識学会誌 Vol. 22; no. 3; pp. 171 - 186
Main Authors 芳須, 弘, 藤田, 充苗, 原田, 幸明, 緒形, 俊夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 情報知識学会 2012
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Summary:原子力発電,化学プラントなどの機器用材料の素材採集時の鉱石採掘などによって環境破壊が生じる.また,それらの材料製造中に発生するCO2,SOx,および NOx による大気汚染が地球環境に影響をおよぼす.地球環境を大きく変えない持続的社会を形成するために, 機器設計時の材料評価にマテリアルリスク指標が提案されている.その指標は,資源の持続的供給,製造時の環境変動,そして毒性の 3 種類のリスクから成っており,それぞれのリスクに関係する因子の数値が示されている.  本報告では,これらの指標のデータ構造を決定した後,リスク指標のデータベースを試作し,Web で提供されている耐熱材料の特性との関係を調べた.その結果, 地球環境を考慮した機器設計時における最適材料は容易に入手可能な元素からなる材料を選択すべきとの方向性を示した.その方向の妥当性について各種のステンレス鋼を評価し,ニッケルをマンガンで置き換えたステンレス鋼の環境適合性が良好なことを示した.
ISSN:0917-1436
1881-7661
DOI:10.2964/jsik.22_171