医学生の臨床能力自己評価システムの開発

臨床実習後の医学生の臨床能力を把握するために,医学教育モデル・コア・カリキュラムの到達目標に救急,スタッフとのコミュニケーション,シミュレーション学習を追加した簡便な臨床能力自己評価システムを開発し,臨床実習を終了した本学医学部6年生79名を対象として授業評価とあわせて実施検討した. 1)全15領域68項目からなる臨床能力評価システムを用いた自己評価は各学習項目についての自信や手ごたえを簡便に明らかにした. 2)学内webを通じた自己評価により臨床実習での学習状況が明らかとなり,実施されるべき教育に問題がある項目について教育担当者へのフィードバックや教務委員会での全体の状況把握が可能となった....

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Published in医学教育 Vol. 42; no. 4; pp. 201 - 208
Main Authors 菅原, 亜紀子, 藤田, 禎三, 石川, 和信, 福島, 哲仁, 錫谷, 達夫, 小林, 元, 諸井, 陽子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医学教育学会 2011
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ISSN0386-9644
2185-0453
DOI10.11307/mededjapan.42.201

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Summary:臨床実習後の医学生の臨床能力を把握するために,医学教育モデル・コア・カリキュラムの到達目標に救急,スタッフとのコミュニケーション,シミュレーション学習を追加した簡便な臨床能力自己評価システムを開発し,臨床実習を終了した本学医学部6年生79名を対象として授業評価とあわせて実施検討した. 1)全15領域68項目からなる臨床能力評価システムを用いた自己評価は各学習項目についての自信や手ごたえを簡便に明らかにした. 2)学内webを通じた自己評価により臨床実習での学習状況が明らかとなり,実施されるべき教育に問題がある項目について教育担当者へのフィードバックや教務委員会での全体の状況把握が可能となった. 3)多くの項目で高い自己評価が得られた一方,羞恥心や不快感をもたらす診療技能などシミュレーション教育の推進が必要と思われる項目があった. 4)自己評価総スコアが高い学生ほど授業評価が有意に高く,一方,『経験がない』項目数が多い学生ほど技能・態度面の授業評価が有意に低かった.
ISSN:0386-9644
2185-0453
DOI:10.11307/mededjapan.42.201