冠動脈バイパス術後の運動療法継続の効果

【目的】冠動脈バイパス術後患者の運動療法継続の効果について検討する.【方法】2010年1月~2015年6月,単独冠動脈バイパス術107例(年齢72 ± 8歳,男性88例)を対象とした.術後半年後に運動療法が継続できているかチェックを行った.週3回以上かつ1日の運動時間が20分以上の症例を運動療法群とし,非運動療法群と比較検討を行った.【結果】運動療法群は57例(53%),1日の運動時間は41 ± 13分,1週間の運動日数は5.4 ± 1.5日であった.フォロー期間は42 ± 18ヵ月で,遠隔死亡は15例であり,生存率は運動療法群で良好な傾向にあった(運動療法群3年98%,非運動療法群3年88%...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本冠疾患学会誌 Vol. 1; pp. 1 - 4
Main Authors 小林, 平, 本間, 智明, 上田, 雅美, 村上, 嘉章, 濱本, 正樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本冠疾患学会 2019
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:【目的】冠動脈バイパス術後患者の運動療法継続の効果について検討する.【方法】2010年1月~2015年6月,単独冠動脈バイパス術107例(年齢72 ± 8歳,男性88例)を対象とした.術後半年後に運動療法が継続できているかチェックを行った.週3回以上かつ1日の運動時間が20分以上の症例を運動療法群とし,非運動療法群と比較検討を行った.【結果】運動療法群は57例(53%),1日の運動時間は41 ± 13分,1週間の運動日数は5.4 ± 1.5日であった.フォロー期間は42 ± 18ヵ月で,遠隔死亡は15例であり,生存率は運動療法群で良好な傾向にあった(運動療法群3年98%,非運動療法群3年88%,p=0.09).心事故は20例(心不全入院10例,心突然死4例,経皮的冠動脈形成術6例)であり,心事故回避率は運動療法群で有意に高かった(運動療法群3年95%,非運動療法群3年79%,p=0.02).【結論】冠動脈バイパス術後の運動療法継続は患者予後を改善させる可能性がある.
ISSN:2434-2157
DOI:10.32182/njcoron.18-00003