ブタ胎仔における胸鎖乳突筋と支配神経の観察

ブタ胎仔標本7体8側を用い、胸鎖乳突筋の構成と支配神経である副神経、頸神経の走行・分岐経路を明らかにすることを目的として肉眼的に解剖・観察を行った。ブタ胎仔胸鎖乳突筋の構成は、全所見で胸骨乳突筋、鎖骨後頭筋、鎖骨乳突筋、鎖骨上腕筋の4部構成となっていた。しかし、鎖骨上腕筋の支配神経は全所見で腋窩神経であり、支配神経の観点からは鎖骨上腕筋は胸鎖乳突筋から除くべきだと考えられる。胸骨乳突筋は全所見で副神経が単独で進入していた。鎖骨後頭筋、鎖骨乳突筋の支配神経は副神経と頸神経であった。頸神経は、副神経の鎖骨後頭筋枝・鎖骨乳突筋支配枝に吻合する形態と、副神経僧帽筋枝に対して吻合する形態の大きく2形態に...

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Published in形態・機能 Vol. 17; no. 2; pp. 79 - 85
Main Authors 時田, 幸之輔, 布施, 裕子, 小島, 龍平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published コ・メディカル形態機能学会 2019
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ISSN1347-7145
1884-6084
DOI10.11172/keitaikinou.17.79

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Summary:ブタ胎仔標本7体8側を用い、胸鎖乳突筋の構成と支配神経である副神経、頸神経の走行・分岐経路を明らかにすることを目的として肉眼的に解剖・観察を行った。ブタ胎仔胸鎖乳突筋の構成は、全所見で胸骨乳突筋、鎖骨後頭筋、鎖骨乳突筋、鎖骨上腕筋の4部構成となっていた。しかし、鎖骨上腕筋の支配神経は全所見で腋窩神経であり、支配神経の観点からは鎖骨上腕筋は胸鎖乳突筋から除くべきだと考えられる。胸骨乳突筋は全所見で副神経が単独で進入していた。鎖骨後頭筋、鎖骨乳突筋の支配神経は副神経と頸神経であった。頸神経は、副神経の鎖骨後頭筋枝・鎖骨乳突筋支配枝に吻合する形態と、副神経僧帽筋枝に対して吻合する形態の大きく2形態に分類された。
ISSN:1347-7145
1884-6084
DOI:10.11172/keitaikinou.17.79