胸腺腫によるSVC症候群合併,局所進行性乳癌の1例

症例は44歳の女性である.上大静脈症候群にて紹介来院された.左側進行性乳癌と,胸部CTにてSVCを閉塞する縦隔腫瘍を認めた.乳腺の針生検にて浸潤性乳管癌の診断を得た.乳癌縦隔リンパ節転移の診断にて,Paclitaxel,さらにFEC100のレジメンにて化学治療を行い,同時に縦隔への放射線治療を開始した.乳癌がCRであったにもかかわらず,縦隔の腫瘍は全く反応しなかったことから縦隔病変は胸腺腫であることを疑い,縦隔腫瘍摘除術を行った.縦隔腫瘍はType B3の胸腺腫であることが病理診断にて確認された....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 22; no. 7; pp. 1055 - 1060
Main Authors 和久, 利幸, 渡辺, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2008
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.22.1055

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Summary:症例は44歳の女性である.上大静脈症候群にて紹介来院された.左側進行性乳癌と,胸部CTにてSVCを閉塞する縦隔腫瘍を認めた.乳腺の針生検にて浸潤性乳管癌の診断を得た.乳癌縦隔リンパ節転移の診断にて,Paclitaxel,さらにFEC100のレジメンにて化学治療を行い,同時に縦隔への放射線治療を開始した.乳癌がCRであったにもかかわらず,縦隔の腫瘍は全く反応しなかったことから縦隔病変は胸腺腫であることを疑い,縦隔腫瘍摘除術を行った.縦隔腫瘍はType B3の胸腺腫であることが病理診断にて確認された.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.22.1055