自己免疫性膵炎と膵臓癌との鑑別方法
「背景と目的」自己免疫性膵炎はステロイド治療に非常によく反応するので, 不必要な手術を回避するためにも, 適格な診断が必要である. 特に膵頭部に腫瘤を形成する自己免疫性膵炎は, 局所進行性の膵臓癌との鑑別がしばしば困難である1~3). 組織学的に, 膵頭部腫瘤の多くは膵臓癌であるが, どのような症例に自己免疫性膵炎を疑うべきか?そして, どのように鑑別診断を行っていくか?両疾患の臨床像, 血清学的および画像所見を比較検討した. 「方法」膵頭部に腫瘤を形成した自己免疫性膵炎17例を対象とした. これらのうち, 膵臓の組織が検索された7例は全て密なリンパ球と形質細胞の浸潤を伴う線維化で, ステロイ...
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Published in | 膵臓 Vol. 24; no. 2; pp. 205 - 207 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本膵臓学会
2009
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0913-0071 1881-2805 |
DOI | 10.2958/suizo.24.205 |
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Summary: | 「背景と目的」自己免疫性膵炎はステロイド治療に非常によく反応するので, 不必要な手術を回避するためにも, 適格な診断が必要である. 特に膵頭部に腫瘤を形成する自己免疫性膵炎は, 局所進行性の膵臓癌との鑑別がしばしば困難である1~3). 組織学的に, 膵頭部腫瘤の多くは膵臓癌であるが, どのような症例に自己免疫性膵炎を疑うべきか?そして, どのように鑑別診断を行っていくか?両疾患の臨床像, 血清学的および画像所見を比較検討した. 「方法」膵頭部に腫瘤を形成した自己免疫性膵炎17例を対象とした. これらのうち, 膵臓の組織が検索された7例は全て密なリンパ球と形質細胞の浸潤を伴う線維化で, ステロイド治療が施行された11例は全て著効した. 同時期に経験した組織学的に確認された局所進行膵頭部癌(ステージIII, IV)70例と比較検討した. 「結果と考察」「1. 臨床的差異」両群で, 診断時年齢, 性差, 飲酒歴, 喫煙歴に差を認めなかった. |
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ISSN: | 0913-0071 1881-2805 |
DOI: | 10.2958/suizo.24.205 |