座位から仰臥位への姿勢変化による眼球回旋方向と回旋偏位量についての検討

【目的】座位から仰臥位への姿勢の変化による眼球回旋方向と回旋偏位量を検討した。 【対象および方法】対象は、健常ボランティア51名102眼(21.4±3.4歳)。回旋角度計測用の直線を印字したシールを両下眼瞼に貼り、片眼を遮眼子で遮閉した。座位および仰臥位で片眼ずつ撮影した。パソコン上で画像を重ね合わせ、眼球回旋の方向と角度変化を測定した。 【結果】内方回旋が76眼(74.5%)、外方回旋が17眼(16.7%)、回旋が9眼(8.8%)だった。平均回旋偏位量は1.92±1.22°であった。両眼とも内方回旋が29例(56.9%、2.33±1.08°)、両眼とも外方回旋が3例(5.9%、1.03±0....

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 54; pp. 87 - 91
Main Authors 岩崎, 留己, 蕪, 龍大, 福田, 莉香子, 松本, 栞音, 古島, 京佳, 竹下, 哲二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 2024
日本視能訓練士協会
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Summary:【目的】座位から仰臥位への姿勢の変化による眼球回旋方向と回旋偏位量を検討した。 【対象および方法】対象は、健常ボランティア51名102眼(21.4±3.4歳)。回旋角度計測用の直線を印字したシールを両下眼瞼に貼り、片眼を遮眼子で遮閉した。座位および仰臥位で片眼ずつ撮影した。パソコン上で画像を重ね合わせ、眼球回旋の方向と角度変化を測定した。 【結果】内方回旋が76眼(74.5%)、外方回旋が17眼(16.7%)、回旋が9眼(8.8%)だった。平均回旋偏位量は1.92±1.22°であった。両眼とも内方回旋が29例(56.9%、2.33±1.08°)、両眼とも外方回旋が3例(5.9%、1.03±0.96°)、同側性の回旋が10例(19.6%、1.83±1.14°)、片眼のみの回旋が9例(17.6%、0.96±1.15°)だった。両眼とも回旋しなかった症例はいなかった。 【考按】本研究において、画像比較法やパネル法などによるトーリックIOLの軸合わせの際には、姿勢変化によって内回旋している可能性を考慮する必要があることが示唆された。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.54F102