埼玉県における下痢症患者から分離された腸管出血性大腸菌の細菌学的性状について (1990~1992年)
1990~1992年に埼玉県の医療機関で下痢症患者から分離された腸管出血性大腸菌16株について, その血清型, Vero毒素産生性, 生化学的性状, 薬剤感受性およびプラスミドプロファイルを検討した. 16株の血清型は, O157: H7が集団発生2事例由来の4株を含む12事例14株, 0111: H-散発例1株および0128: H2散発例1株であった.PCR法による毒素型別は, 集団発生2事例を含む0157: H79株と0128: H21株がVT1, VT2産生遺伝子保有, O157: H75株がVT2遺伝子単独, O111: H-1株がVT1遺伝子単独保有株であった.生化学的性状では, 1...
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 68; no. 12; pp. 1451 - 1458 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
01.12.1994
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ISSN | 0387-5911 1884-569X |
DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.68.1451 |
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Summary: | 1990~1992年に埼玉県の医療機関で下痢症患者から分離された腸管出血性大腸菌16株について, その血清型, Vero毒素産生性, 生化学的性状, 薬剤感受性およびプラスミドプロファイルを検討した. 16株の血清型は, O157: H7が集団発生2事例由来の4株を含む12事例14株, 0111: H-散発例1株および0128: H2散発例1株であった.PCR法による毒素型別は, 集団発生2事例を含む0157: H79株と0128: H21株がVT1, VT2産生遺伝子保有, O157: H75株がVT2遺伝子単独, O111: H-1株がVT1遺伝子単独保有株であった.生化学的性状では, 1事例の集団発生事例由来株が生物型II型, その他のO157: H7は1型であった.また, 散発事例由来の0157: H71株がUrease陽性であった. 薬剤感受性では, O157: H7にABPC耐性が1株, SM耐性1株, SMおよびTC耐性2株が認められた.プラスミドプロファイルでは, すべての株が約94Kbおよび94Kb以下のプラスミドを複数保有していた.しかし, 0157: H75株は約94Kbのプラスミド単独保有であった. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.68.1451 |