北関東地域で分離されたChlamydia pneumoniaeの感染性粒子形態と抗体との反応性

Chlamydia pneumoniae (C. pneumoniae) の標準株TW183株と茨城県霞ケ浦市に位置する国立霞ケ浦病院小児科を1992~1995年に受診した小児, 及びその家族より分離されたC. pneumoniae (6株) の電子顕微鏡像を観察した. そのうち4株について, 部分精製したC. pneumoniaeを抗原とし, 抗体に患者血清を用いたimmnunoblot法を行った. その結果, TW183株は洋梨状, 分離株はいずれも球状の感染性粒子形態を示した. しかし, immunoblotによるバンドの形成に差異は認められなかった. 以上の成績は, 他の研究者の報告と...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 74; no. 12; pp. 1018 - 1022
Main Authors 砂川, 慶介, 坂内, 久一, 岩田, 敏, 佐藤, 吉壮, 秋田, 博伸, 菰田, 照子, 萩原, 敏且
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 20.12.2000
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi1970.74.1018

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Summary:Chlamydia pneumoniae (C. pneumoniae) の標準株TW183株と茨城県霞ケ浦市に位置する国立霞ケ浦病院小児科を1992~1995年に受診した小児, 及びその家族より分離されたC. pneumoniae (6株) の電子顕微鏡像を観察した. そのうち4株について, 部分精製したC. pneumoniaeを抗原とし, 抗体に患者血清を用いたimmnunoblot法を行った. その結果, TW183株は洋梨状, 分離株はいずれも球状の感染性粒子形態を示した. しかし, immunoblotによるバンドの形成に差異は認められなかった. 以上の成績は, 他の研究者の報告とも合わせ, 本邦には球状形態を示すC. pneumoniaeが広く蔓延していることを示す. 隣県の千葉県で分離された洋梨状の菌株が他のどの地域あるいは状況で検出され得るか, 興味が持たれる.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.74.1018