イムノクロマトグラフィーを用いたロタウイルスとアデノウイルスの迅速診断キットの検討
イムノクロマトグラフィー法を用いてA群ロタウイルスとアデノウイルスを同時に検出する迅速診断キットのラピッドテスタロターアデノ (第一化学薬品) について, 基礎および臨床的検討を行った. A群ロタウイルスでは赤色, アデノウイルスでは青色の特異的なラインが形成され, その他の腸管系ウイルスとの交差反応はみられなかった.検出感度はA群ロタウイルス (SA11株) では104.4TCID50/ml, アデノウイルス3型では104.45TCID50/mlで, 他のイムノクロマトグラフィー法や酵素免疫測定法のキットとほぼ同程度, ラテックス凝集法を用いたキットより10倍程度感度が高いことが確認された....
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 75; no. 12; pp. 1040 - 1046 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
20.12.2001
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ISSN | 0387-5911 1884-569X |
DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.75.1040 |
Cover
Summary: | イムノクロマトグラフィー法を用いてA群ロタウイルスとアデノウイルスを同時に検出する迅速診断キットのラピッドテスタロターアデノ (第一化学薬品) について, 基礎および臨床的検討を行った. A群ロタウイルスでは赤色, アデノウイルスでは青色の特異的なラインが形成され, その他の腸管系ウイルスとの交差反応はみられなかった.検出感度はA群ロタウイルス (SA11株) では104.4TCID50/ml, アデノウイルス3型では104.45TCID50/mlで, 他のイムノクロマトグラフィー法や酵素免疫測定法のキットとほぼ同程度, ラテックス凝集法を用いたキットより10倍程度感度が高いことが確認された. 臨床検体における他の検査キットとの比較では, 他のイムノクロマトグラフィー法のキットとの一致率はA群ロタウイルスで99.2% (121/122), アデノウイルスで98.6% (138/140) であった.またラテックス凝集法のキットとの一致率はA群ロタウイルスで94.5% (69/73), アデノウイルスでは92.3% (84/91) で, 他のイムノクロマトグラフィー法のキットとの一致率は高かった.ラピッドテスタロターアデノはA群ロタウイルスおよびアデノウイルスを簡便かつ迅速に検出することができ, さらに反応ラインの色の違いによって2種類のウイルスを容易に判別できることから, 臨床での診断に有用であると考える. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.75.1040 |