正常マウスを用いた実験的緑膿菌性肺炎モデルの作製とその評価

正常マウスでのPseudomonas aeruginosa性肺炎モデル作製の検討を行った.使用菌株としては, P.aeruginosa NC-5を用い, 菌の接種は経気管的方法によった.本菌感染によるLD50は5.1×106CFU/mouseで, LD100における接種菌量では, 肺内生菌数は初期クリアランスに増加し, 24~48時間以内に全例死亡した.肺炎発症マウスでは6時間後より血中に菌の出現がみられ, その後血中菌量は経時的に増加した.病理組織学的には, 出血を伴う典型的な緑膿菌性肺炎の像がみられた.また, ceftazidime (CAZ) およびgentamicin (GM) による...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 60; no. 11; pp. 1165 - 1171
Main Authors 河野, 茂, 笹山, 一夫, 道津, 安正, 渋谷, 直道, 宮崎, 幸重, 古賀, 宏延, 中里, 博子, 長沢, 正夫, 須山, 尚央, 福田, 義昭, 森, 賢治, 林, 敏明, 重野, 芳輝, 山口, 恵三, 広田, 正毅, 斎藤, 厚, 原, 耕平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 01.11.1986
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Summary:正常マウスでのPseudomonas aeruginosa性肺炎モデル作製の検討を行った.使用菌株としては, P.aeruginosa NC-5を用い, 菌の接種は経気管的方法によった.本菌感染によるLD50は5.1×106CFU/mouseで, LD100における接種菌量では, 肺内生菌数は初期クリアランスに増加し, 24~48時間以内に全例死亡した.肺炎発症マウスでは6時間後より血中に菌の出現がみられ, その後血中菌量は経時的に増加した.病理組織学的には, 出血を伴う典型的な緑膿菌性肺炎の像がみられた.また, ceftazidime (CAZ) およびgentamicin (GM) による治療実験を行い, 本感染モデルの薬効評価に関する有用性の検討も行った.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.60.1165