インフルエンザウイルス抗原迅速検出キットの検討

AおよびB型インフルエンザウイルスの迅速検出キットであるFLUOIA (R) の評価を行った. 42株のインフルエンザウイルス分離株 (ヒトのA型25株, B型12株, ブタのA型2株, トリのA型3株) を用いてFLUOIA®の反応性をみたところ, すべてのインフルエンザ分離株を陽性と判定できた. また, インフルエンザ以外のウイルスとの交差反応はみられなかった. プラーク定量したウイルスを用いて行った検出限界の測定では, 3.0~6.5×104pfu/assayのウイルス量で陽性と判定可能であった. インフルエンザ様患者の鼻汁 (54検体) を用いて細胞培養によるウイルス分離との比較を行っ...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 73; no. 12; pp. 1199 - 1204
Main Authors 清水, 英明, 今井, 光信, 渡邉, 寿美, 川上, 千春
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 20.12.1999
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi1970.73.1199

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Summary:AおよびB型インフルエンザウイルスの迅速検出キットであるFLUOIA (R) の評価を行った. 42株のインフルエンザウイルス分離株 (ヒトのA型25株, B型12株, ブタのA型2株, トリのA型3株) を用いてFLUOIA®の反応性をみたところ, すべてのインフルエンザ分離株を陽性と判定できた. また, インフルエンザ以外のウイルスとの交差反応はみられなかった. プラーク定量したウイルスを用いて行った検出限界の測定では, 3.0~6.5×104pfu/assayのウイルス量で陽性と判定可能であった. インフルエンザ様患者の鼻汁 (54検体) を用いて細胞培養によるウイルス分離との比較を行ったところ, 感度は89.7%, 特異性は76.0%であった. FLUOIA®は, 迅速かつ簡便にAおよびB型インフルエンザウイルスを検出できるので, 臨床現場で有用なキットであると思われる.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.73.1199