多色深部観察法を利用した超音波応答型の脳標的指向化DDS開発

「はじめに」脳は難治性疾患を多く抱える臓器であるため, 創薬の主要標的となっている. 脳疾患を標的とした新規医薬品開発における一番の課題は, 血液脳関門 (blood-brain barrier : BBB) により脳内への薬物送達が著しく制限されることにある. 具体的には, 低分子医薬の98%と高分子医薬のほぼ100%の脳内送達がBBBに妨げられるため, 薬物の脳内移行を可能にするドラッグデリバリーシステム (drug delivery system : DDS) の開発が重要である. DDSは主に放出制御・吸収促進・標的指向化の3要素から構成される. 脳内移行を改善した低分子医薬品の代表的...

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Published inNeurosonology Vol. 34; no. 3; pp. 135 - 137
Main Authors 山田, 咲良, 加藤, 直也, 川上, 茂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経超音波学会 2021
日本脳神経超音波学会
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Summary:「はじめに」脳は難治性疾患を多く抱える臓器であるため, 創薬の主要標的となっている. 脳疾患を標的とした新規医薬品開発における一番の課題は, 血液脳関門 (blood-brain barrier : BBB) により脳内への薬物送達が著しく制限されることにある. 具体的には, 低分子医薬の98%と高分子医薬のほぼ100%の脳内送達がBBBに妨げられるため, 薬物の脳内移行を可能にするドラッグデリバリーシステム (drug delivery system : DDS) の開発が重要である. DDSは主に放出制御・吸収促進・標的指向化の3要素から構成される. 脳内移行を改善した低分子医薬品の代表的なDDSの例として, BBB透過性の亢進を目的としたプロドラッグであるレボドパが挙げられる.
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.34.135