シリコンウェーハ湿式鏡面研削用シリカ砥石の開発

デバイスウェーハの裏面研削後に同一研削盤上で鏡面加工を行うことのできる砥石の開発が望まれている. シリカを砥粒に用いた砥石はその可能性を有しているが, 乾式加工では除去能率は高いものの形状精度に問題があり, 実用に至っていない. そこで, 本研究では湿式で加工は行うものの, 加工域では乾式加工となるような砥石の開発を行った. すなわち, PVA砥石の吸水性に注目し, 砥石の外周で内部に水が浸透することを妨げるような構造を考えた. その結果, フェノール砥石では鏡面加工ができなかった湿式研削の条件で, 2分程度で鏡面加工が実現するような砥石および加工条件を見出した. 砥石は吸水性や砥石硬度が重要...

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Published in砥粒加工学会誌 Vol. 49; no. 11; pp. 638 - 642
Main Authors 谷, 泰弘, 奥山, 哲雄, 村井, 史郎, 上村, 康幸
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 社団法人 砥粒加工学会 2005
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Summary:デバイスウェーハの裏面研削後に同一研削盤上で鏡面加工を行うことのできる砥石の開発が望まれている. シリカを砥粒に用いた砥石はその可能性を有しているが, 乾式加工では除去能率は高いものの形状精度に問題があり, 実用に至っていない. そこで, 本研究では湿式で加工は行うものの, 加工域では乾式加工となるような砥石の開発を行った. すなわち, PVA砥石の吸水性に注目し, 砥石の外周で内部に水が浸透することを妨げるような構造を考えた. その結果, フェノール砥石では鏡面加工ができなかった湿式研削の条件で, 2分程度で鏡面加工が実現するような砥石および加工条件を見出した. 砥石は吸水性や砥石硬度が重要な因子となり, 砥粒には凝集シリカを用いるより燃焼合成シリカを用いたほうが広い砥粒率の範囲で鏡面加工が可能になることが判明した. また, 砥石周速や工作物回転数は遅いほうが望ましいとの結果を得た.
ISSN:0914-2703
1880-7534
DOI:10.11420/jsat.49.638