生姜摂取による食餌性イレウスの1例

症例は69歳,男性.腹痛,嘔吐にて救急外来を受診された.腹部CT画像で癒着性イレウスを考えイレウスチューブ留置にて保存的治療を開始した.しかし症状の改善なく,血清CKの上昇を認め,絞扼性イレウスも否定できず緊急開腹手術を施行した.回腸末端から約120cm部の小腸が20cmにわたり腸管壊死をきたしており同部を切除した.切除腸管内には長径約5cmの未消化の生姜3個が嵌頓しており食餌性イレウスと診断した.術後,エンドトキシンショックによる呼吸不全,腎不全,DICを併発したためエンドトキシン吸着療法も含めた集中治療を行い,経口摂取も可能なまでに改善を認めたが,肺炎を併発し術後36日目に死亡した....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 69; no. 12; pp. 3160 - 3163
Main Authors 河野, 修三, 酒井, 憲見, 山下, 裕一, 別府, 理智子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2008
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.69.3160

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Summary:症例は69歳,男性.腹痛,嘔吐にて救急外来を受診された.腹部CT画像で癒着性イレウスを考えイレウスチューブ留置にて保存的治療を開始した.しかし症状の改善なく,血清CKの上昇を認め,絞扼性イレウスも否定できず緊急開腹手術を施行した.回腸末端から約120cm部の小腸が20cmにわたり腸管壊死をきたしており同部を切除した.切除腸管内には長径約5cmの未消化の生姜3個が嵌頓しており食餌性イレウスと診断した.術後,エンドトキシンショックによる呼吸不全,腎不全,DICを併発したためエンドトキシン吸着療法も含めた集中治療を行い,経口摂取も可能なまでに改善を認めたが,肺炎を併発し術後36日目に死亡した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.69.3160