胃粘膜下腫瘍と鑑別が困難であった肝硬化性血管腫の1例

肝硬化性血管腫は海綿状血管腫内部に血栓,壊死,瘢痕形成,石灰化などの2次的変化による退行変性により血管腫全体に線維化,硝子化変性をきたした疾患とされている.筆者らは肝左葉と胃穹隆部間の腫瘤をCT, MRI,胃透視,超音波内視鏡などにより壁外性発育の胃粘膜下腫瘍と術前に診断したが,肝左葉より突出する硬化性血管腫であった症例を経験した.肝硬化性血管腫は特徴的な画像がないため診断に苦慮することが多く,鑑別疾患として胆管細胞癌,転移性肝癌,炎症性偽腫瘍,線維化の強い肝細胞癌が挙げられる.本邦での肝硬化性血管腫の報告は現在までに18報告(23症例)のみであるため,貴重な症例と考え報告した....

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Published in肝臓 Vol. 47; no. 10; pp. 474 - 481
Main Authors 林, 香月, 大原, 弘隆, 喜多島, 康弘, 田中, 創始, 高田, 博樹, 今井, 英人, 安藤, 朝章, 中沢, 貴宏, 祖父江, 聡, 中尾, 春壽, 呉原, 裕樹, 桑原, 義之, 高橋, 智, 城, 卓志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 2006
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Summary:肝硬化性血管腫は海綿状血管腫内部に血栓,壊死,瘢痕形成,石灰化などの2次的変化による退行変性により血管腫全体に線維化,硝子化変性をきたした疾患とされている.筆者らは肝左葉と胃穹隆部間の腫瘤をCT, MRI,胃透視,超音波内視鏡などにより壁外性発育の胃粘膜下腫瘍と術前に診断したが,肝左葉より突出する硬化性血管腫であった症例を経験した.肝硬化性血管腫は特徴的な画像がないため診断に苦慮することが多く,鑑別疾患として胆管細胞癌,転移性肝癌,炎症性偽腫瘍,線維化の強い肝細胞癌が挙げられる.本邦での肝硬化性血管腫の報告は現在までに18報告(23症例)のみであるため,貴重な症例と考え報告した.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.47.474