急性虫垂炎の診断における腹部CT検査による虫垂径測定の有用性

目的:急性虫垂炎の診断におけるCTを重視したプロトコールの正確性と虫垂径の測定の有用性の評価. 対象と方法:2002年1月から2004年6月の間に急性虫垂炎と診断した連続した239人を検討した.CTでの診断基準は6mm以上の虫垂径または2次性の炎症変化とした.病理学的な診断基準は筋層以上の炎症細胞浸潤とした. 結果:239人のうち235人がCTを受けていた.222人が虫垂切除術を受け,205人が病理学的に急性虫垂炎と診断された.CTで虫垂径が6mm以上あった200人中193人が病理学的に急性虫垂炎と診断された.手術症例の陽性的中率は92.3%(205/222)で,CTで虫垂径が6mm以上あった...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 69; no. 10; pp. 2462 - 2467
Main Authors 大森, 敏弘, 宮澤, 正久, 岸本, 浩史, 樋口, 佳代子, 千須和, 寿直, 森, 周介, 小池, 秀夫, 田内, 克典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2008
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.69.2462

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Summary:目的:急性虫垂炎の診断におけるCTを重視したプロトコールの正確性と虫垂径の測定の有用性の評価. 対象と方法:2002年1月から2004年6月の間に急性虫垂炎と診断した連続した239人を検討した.CTでの診断基準は6mm以上の虫垂径または2次性の炎症変化とした.病理学的な診断基準は筋層以上の炎症細胞浸潤とした. 結果:239人のうち235人がCTを受けていた.222人が虫垂切除術を受け,205人が病理学的に急性虫垂炎と診断された.CTで虫垂径が6mm以上あった200人中193人が病理学的に急性虫垂炎と診断された.手術症例の陽性的中率は92.3%(205/222)で,CTで虫垂径が6mm以上あった手術症例の陽性的中率は96.5%(193/200)であった.また保存的治療症例の35.3%(6/17)が再発し,10mm以上で再発率が50%(5/10)と高かった. 結論:CTは急性虫垂炎の診断に有用である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.69.2462