Aeromonas hydrophila の主要O群株からの耐熱性リパーゼ遺伝子の検出

Aeromonas hydrophilaは自然環境をはじめ, 食品などにも広く分布しており, 食中毒などさまざまな疾病を引き起こす.最近, 耐性熱リパーゼ遺伝子 (lipAH) がAeromonas属のなかでDNA hybridizationgroup 1 (HG 1) に分類される菌種にのみ存在するという報告があり, この遺伝子の塩基配列をもとにしたPCRによるHG1株の検出を試みた.供試した菌株は, 下痢症など臨床材料から多く分離されているO11, O16, そしてO34の株で, これらの血清型とlipAH保有との相関性について検討をした.その結果, 供試菌株のうち80%の株がlipAHを...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 71; no. 11; pp. 1172 - 1174
Main Authors 柴田, 幹良, 森田, 耕司, 渡辺, 登, 沖津, 忠行, 山井, 志朗, 伊藤, 健一郎, 島田, 俊雄, 金森, 政人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 20.11.1997
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Summary:Aeromonas hydrophilaは自然環境をはじめ, 食品などにも広く分布しており, 食中毒などさまざまな疾病を引き起こす.最近, 耐性熱リパーゼ遺伝子 (lipAH) がAeromonas属のなかでDNA hybridizationgroup 1 (HG 1) に分類される菌種にのみ存在するという報告があり, この遺伝子の塩基配列をもとにしたPCRによるHG1株の検出を試みた.供試した菌株は, 下痢症など臨床材料から多く分離されているO11, O16, そしてO34の株で, これらの血清型とlipAH保有との相関性について検討をした.その結果, 供試菌株のうち80%の株がlipAHを有していた.また各O群型別では, O11株が64%, O16株が87%, そしてO34株が83%の保有率を示し, 疫学的に病原的意義が高いO11, O16, そしてO34の多くがHG1に分類された.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.71.1172