4本の異常動脈を有し奇静脈に還流する肺葉内肺分画症に対し胸腔鏡下分画肺切除を施行した一例

4本の異常動脈を有し奇静脈に還流する肺葉内肺分画症に対して胸腔鏡下分画肺切除を施行した症例を報告する.【症例】17歳,男性.胸部異常陰影を契機に左肺下葉の肺葉内肺分画症と診断され,胸腔鏡下に分画肺切除術を施行した.術後3年現在,合併症なく経過している.【考察】肺分画症に対しては,MDCTで分画肺の局在とともに流入動脈と流出静脈を確認して,分画肺を含む肺葉切除や区域切除が施行されることが多い.本症例では術前に確認できなかった異常血管を含めて安全に血管処理を行え,さらに正常肺のほとんどが温存できた.肺分画症治療においては,MDCTで描出されない脈管の可能性を意識して治療に臨む必要がある....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 24; no. 5; pp. 868 - 872
Main Authors 奥脇, 英人, 宮内, 善広, 松原, 寛知, 市原, 智史, 國光, 多望, 松本, 雅彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2010
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.24.868

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Summary:4本の異常動脈を有し奇静脈に還流する肺葉内肺分画症に対して胸腔鏡下分画肺切除を施行した症例を報告する.【症例】17歳,男性.胸部異常陰影を契機に左肺下葉の肺葉内肺分画症と診断され,胸腔鏡下に分画肺切除術を施行した.術後3年現在,合併症なく経過している.【考察】肺分画症に対しては,MDCTで分画肺の局在とともに流入動脈と流出静脈を確認して,分画肺を含む肺葉切除や区域切除が施行されることが多い.本症例では術前に確認できなかった異常血管を含めて安全に血管処理を行え,さらに正常肺のほとんどが温存できた.肺分画症治療においては,MDCTで描出されない脈管の可能性を意識して治療に臨む必要がある.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.24.868