肉芽腫性炎症を伴った梅毒性肝炎の1例
症例は54歳,男性.全身倦怠感を主訴に受診し,胆道系酵素の著明な上昇を認めた.肝炎ウイルスマーカー,抗核抗体は陰性であったが,梅毒血清反応が陽性で,陰茎に硬結を認めた.腹腔鏡検査では,肝表面に白色調小結節を認め,肝組織では肉芽腫性炎症を認めた.早期梅毒性肝炎と診断し,amoxicillin(AMPC)内服を開始後,胆道系酵素は速やかに改善した.早期梅毒性肝炎の報告は比較的稀であり,組織学的に肉芽腫性炎症を認める例も少なく,若干の文献的考察を加えて報告する....
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Published in | 肝臓 Vol. 50; no. 12; pp. 719 - 724 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
2009
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Subjects | |
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ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.50.719 |
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Summary: | 症例は54歳,男性.全身倦怠感を主訴に受診し,胆道系酵素の著明な上昇を認めた.肝炎ウイルスマーカー,抗核抗体は陰性であったが,梅毒血清反応が陽性で,陰茎に硬結を認めた.腹腔鏡検査では,肝表面に白色調小結節を認め,肝組織では肉芽腫性炎症を認めた.早期梅毒性肝炎と診断し,amoxicillin(AMPC)内服を開始後,胆道系酵素は速やかに改善した.早期梅毒性肝炎の報告は比較的稀であり,組織学的に肉芽腫性炎症を認める例も少なく,若干の文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.50.719 |