食道GISTの4例

食道原発のGISTは全消化管GISTの2%以下とされ1)稀な疾患である.今回われわれは食道GIST4例を経験したので報告する.症例1は69歳,男性.3年前より指摘されていた食道粘膜下腫瘍が7cmに増大したため中下部食道切除胃管後縦隔再建を施行した.術後3年3カ月で肝転移にて再発したがメシル酸イマチニブの内服を開始し以後無再発生存中である.症例2は76歳,女性.下部食道に5cm径の粘膜下腫瘍と上縦隔リンパ節の腫大があったため胸部食道亜全摘・胸骨後胃管再建を施行した.術後27カ月無再発生存中である.症例3は52歳,男性.検診にて3cm径の食道粘膜下腫瘍を指摘され胸腔鏡補助下核出術を施行した.術後2...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 10; pp. 2999 - 3004
Main Authors 浅井, 英嗣, 久須美, 貴哉, 藤田, 昌宏, 細川, 正夫, 中野, 敢友, 西田, 靖仙
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2009
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.70.2999

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Summary:食道原発のGISTは全消化管GISTの2%以下とされ1)稀な疾患である.今回われわれは食道GIST4例を経験したので報告する.症例1は69歳,男性.3年前より指摘されていた食道粘膜下腫瘍が7cmに増大したため中下部食道切除胃管後縦隔再建を施行した.術後3年3カ月で肝転移にて再発したがメシル酸イマチニブの内服を開始し以後無再発生存中である.症例2は76歳,女性.下部食道に5cm径の粘膜下腫瘍と上縦隔リンパ節の腫大があったため胸部食道亜全摘・胸骨後胃管再建を施行した.術後27カ月無再発生存中である.症例3は52歳,男性.検診にて3cm径の食道粘膜下腫瘍を指摘され胸腔鏡補助下核出術を施行した.術後23カ月無再発生存中である.症例4は53歳,男性.下部食道に7cm径の粘膜下腫瘍があり,中下部食道切除胃管後縦隔再建を施行した.術後8カ月無再発生存中である.全4例でCD34(+) c-Kit(+) α-SMA(-) S100(-)で狭義のGISTであり,高リスクに分類された.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.70.2999