mFOLFOX6施行中に高アンモニア脳症をきたした2例

mFOLFOX6施行中の副作用として,比較的稀な高アンモニア脳症をきたした2例を経験したので報告する. (症例1)52歳男性,腸閉塞,下行結腸癌,多発肝転移にて緊急手術施行.横行結腸人工肛門造設術を施行した後,mFOLFOX6を開始した.5コース目のDay3に意識障害を認め当センター搬送された.高アンモニア血症(403μg/dl)を認め,保存的治療を行い,2日後に軽快した. (症例2)75歳男性,直腸癌に対して低位前方切除術施行.StageIIIbにて術後補助化学療法としてmFOLFOX6を12コース施行した.終了6カ月後に肝転移を認め,mFOLFOX6+BV開始.Day3に意識障害が出現し,...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 72; no. 11; pp. 2793 - 2796
Main Authors 金城, 隆夫, 奥濱, 幸博, 砂川, 一哉, 長嶺, 直治, 水上, 泰, 金城, 守人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2011
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.72.2793

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Summary:mFOLFOX6施行中の副作用として,比較的稀な高アンモニア脳症をきたした2例を経験したので報告する. (症例1)52歳男性,腸閉塞,下行結腸癌,多発肝転移にて緊急手術施行.横行結腸人工肛門造設術を施行した後,mFOLFOX6を開始した.5コース目のDay3に意識障害を認め当センター搬送された.高アンモニア血症(403μg/dl)を認め,保存的治療を行い,2日後に軽快した. (症例2)75歳男性,直腸癌に対して低位前方切除術施行.StageIIIbにて術後補助化学療法としてmFOLFOX6を12コース施行した.終了6カ月後に肝転移を認め,mFOLFOX6+BV開始.Day3に意識障害が出現し,高アンモニア血症(352μg/dl)を認めたが,2日後に軽快した. mFOLFOX6施行後に意識障害をきたした場合には,高アンモニア脳症があることも念頭において診療すべきであると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.72.2793