子宮転移を契機に発見された乳腺浸潤性小葉癌の1例

子宮転移を契機に発見された乳腺浸潤性小葉癌の1例を報告する.症例は52歳,女性.下腹部膨満感を主訴に入院し,諸検査にて骨盤内腫瘤を指摘され,子宮筋腫の診断で子宮摘出術を施行された.術後の病理組織学的検索では,小細胞が一列に配列,増殖する“Indian files”様の形態を示し,転移性子宮癌と診断,さらには乳腺浸潤性小葉癌の存在が強く示唆された.引き続き行われた精査により初めて左乳癌が発見され,非定型的乳房切断術が施行された.転移巣の病理像から原発乳癌が発見されることは稀である.浸潤性小葉癌の病理学的特徴を念頭に置き,他臓器で同様の病理所見が得られた場合は速やかに乳腺の検索を行うことが重要であ...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 69; no. 12; pp. 3097 - 3100
Main Authors 弥政, 晋輔, 鈴木, 和志, 東島, 由一郎, 後藤, 秀成, 大城, 泰平, 松田, 眞佐男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2008
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Summary:子宮転移を契機に発見された乳腺浸潤性小葉癌の1例を報告する.症例は52歳,女性.下腹部膨満感を主訴に入院し,諸検査にて骨盤内腫瘤を指摘され,子宮筋腫の診断で子宮摘出術を施行された.術後の病理組織学的検索では,小細胞が一列に配列,増殖する“Indian files”様の形態を示し,転移性子宮癌と診断,さらには乳腺浸潤性小葉癌の存在が強く示唆された.引き続き行われた精査により初めて左乳癌が発見され,非定型的乳房切断術が施行された.転移巣の病理像から原発乳癌が発見されることは稀である.浸潤性小葉癌の病理学的特徴を念頭に置き,他臓器で同様の病理所見が得られた場合は速やかに乳腺の検索を行うことが重要である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.69.3097