画像検査では診断がつかず,超音波ガイド下腫瘍生検により診断し得た肝血管筋脂肪腫の1例
48歳女性.人間ドックの腹部超音波検査で肝血管腫を指摘され,近医で半年ごとに超音波検査にてフォローされていた.平成20年4月の検査で内部エコーの変化を指摘され,腹部造影CT上肝細胞癌を疑われたため当科紹介,入院となった.背景肝は正常で採血検査に異常値はなく,上部下部消化管内視鏡検査・胸部レントゲン検査では悪性所見を認めなかった.腹部超音波検査,CT検査,MRI検査,血管造影検査を行い多血性肝腫瘍を認めたが質的診断には至らず,確定診断のため超音波ガイド下で腫瘍生検を行った.腫瘍部は紡錘型平滑筋細胞が密に増生しており,脂肪組織はほとんど見られなかった.免疫染色で平滑筋細胞はHMB-45,melan...
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Published in | 肝臓 Vol. 51; no. 11; pp. 637 - 644 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
2010
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Subjects | |
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Summary: | 48歳女性.人間ドックの腹部超音波検査で肝血管腫を指摘され,近医で半年ごとに超音波検査にてフォローされていた.平成20年4月の検査で内部エコーの変化を指摘され,腹部造影CT上肝細胞癌を疑われたため当科紹介,入院となった.背景肝は正常で採血検査に異常値はなく,上部下部消化管内視鏡検査・胸部レントゲン検査では悪性所見を認めなかった.腹部超音波検査,CT検査,MRI検査,血管造影検査を行い多血性肝腫瘍を認めたが質的診断には至らず,確定診断のため超音波ガイド下で腫瘍生検を行った.腫瘍部は紡錘型平滑筋細胞が密に増生しており,脂肪組織はほとんど見られなかった.免疫染色で平滑筋細胞はHMB-45,melan-A陽性であり,肝血管筋脂肪腫と診断,外来で経過観察の方針となった.背景肝が正常で,肝炎ウイルスマーカー・腫瘍マーカー陰性,他臓器悪性腫瘍のない多血性肝腫瘍では,AMLの可能性を踏まえ積極的に腫瘍生検を考慮すべきと考えた. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.51.637 |