完全切除しえた腎細胞癌縦隔肺門リンパ節転移の一例

症例は42歳男性.2003年3月右腎細胞癌の診断にて右腎摘出術を施行した.経過観察中,胸部CTで左下縦隔に径2.5cmの腫瘤を認めた.食道粘膜下腫瘍を疑い2008年1月開腹下横隔膜縦切開による下縦隔腫瘤摘出術を施行した.病理診断は腎細胞癌のリンパ節転移であった.術後テガフール・ウラシルを内服していたが,2008年5月のCTで右肺門部リンパ節腫大が出現した.腎細胞癌の再発と診断しインターフェロン療法を施行したが,増大傾向を認めたため2008年7月胸腔鏡補助下小開胸にてリンパ節摘出術を施行した.病理診断は腎細胞癌のリンパ節転移であった.その後は約2年経過したが再発を認めていない.腎細胞癌の縦隔肺門...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 24; no. 6; pp. 963 - 966
Main Authors 塩野, 知志, 佐藤, 徹, 安孫子, 正美, 矢吹, 皓, 千葉, 眞人, 岡崎, 敏昌
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2010
Subjects
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.24.963

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Summary:症例は42歳男性.2003年3月右腎細胞癌の診断にて右腎摘出術を施行した.経過観察中,胸部CTで左下縦隔に径2.5cmの腫瘤を認めた.食道粘膜下腫瘍を疑い2008年1月開腹下横隔膜縦切開による下縦隔腫瘤摘出術を施行した.病理診断は腎細胞癌のリンパ節転移であった.術後テガフール・ウラシルを内服していたが,2008年5月のCTで右肺門部リンパ節腫大が出現した.腎細胞癌の再発と診断しインターフェロン療法を施行したが,増大傾向を認めたため2008年7月胸腔鏡補助下小開胸にてリンパ節摘出術を施行した.病理診断は腎細胞癌のリンパ節転移であった.その後は約2年経過したが再発を認めていない.腎細胞癌の縦隔肺門リンパ節転移は切除により予後の改善が期待できる場合もあると考えられ報告した.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.24.963