セメントレス人工股関節全置換術の中期成績 合併症率と生存率

【要約】人工股関節全置換術(total hip arthroplasty: THA)では,除痛,脚長補正,可動域改善などが得られ,近年,良好な長期成績が報告されている.当院においてのcementless THAの中期成績として,合併症率とimplant生存率を検討した.2005年から2010年の間にprimary THAを行った2616股のうち術後5年以上経過観察可能であった1813股を対象とした.経過期間中の合併症を調査し,implantの生存率を算出した.合併症は,脱臼73股,深部静脈血栓症・肺塞栓症6股,術中骨折4股,表層感染・創治癒遅延7股,深部感染3股,末梢神経障害5股,implan...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 66; no. 2; pp. 375 - 378
Main Authors 河野, 俊介, 馬渡, 正明, 戸田, 雄, 北島, 将, 園畑, 素樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2017
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.66.375

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Summary:【要約】人工股関節全置換術(total hip arthroplasty: THA)では,除痛,脚長補正,可動域改善などが得られ,近年,良好な長期成績が報告されている.当院においてのcementless THAの中期成績として,合併症率とimplant生存率を検討した.2005年から2010年の間にprimary THAを行った2616股のうち術後5年以上経過観察可能であった1813股を対象とした.経過期間中の合併症を調査し,implantの生存率を算出した.合併症は,脱臼73股,深部静脈血栓症・肺塞栓症6股,術中骨折4股,表層感染・創治癒遅延7股,深部感染3股,末梢神経障害5股,implant破損0股,implant周囲骨折1股,implantのゆるみ3股であった.再手術を要した症例は17股で,14股に再置換術が行われていた.全ての再置換術をend pointとした生存率は99.1%,ゆるみによる再置換術をend pointとした生存率は99.8%であった.当科における最大10年のimplantの生存率は99.1%と諸家の報告同様良好な成績であった.再置換術の原因は脱臼が8股と最多であり脱臼対策により生存率の改善が見込まれる.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.66.375