間質性肺炎に起因する続発性気胸に対する外科治療8例の検討

間質性肺炎症例は肺胞構造の破綻により気胸を発症することがある.その気胸の修復に際しては肺組織の硬化と脆弱性により気腫肺とは異なった難しさがある.また,低肺機能症例,ステロイド使用症例もあり手術成績は一般に不良である.当施設で間質性肺炎に起因する続発性気胸手術8例を経験した.8症例は男性6例,女性2例,平均年齢65.4歳であった.術前状態は,術前からの酸素投与3例,ステロイド投与5例,膠原病合併4例,膿胸合併2例であった.両側気胸症例では,人工心肺による体外式肺補助をスタンバイとした.のべ14手術が施行され,全例通常の分離肺換気下に可能であり,開胸に移行した3手術以外は胸腔鏡下にて施行された.術...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 24; no. 4; pp. 658 - 663
Main Authors 樋上, 哲哉, 橋本, 誠, 三品, 泰二郎, 上原, 麻由子, 橋口, 仁喜, 小浜, 卓朗, 大堀, 俊介, 原田, 亮, 中島, 慎治, 橘, 一俊, 渡辺, 敦, 黒田, 陽介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2010
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.24.658

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Summary:間質性肺炎症例は肺胞構造の破綻により気胸を発症することがある.その気胸の修復に際しては肺組織の硬化と脆弱性により気腫肺とは異なった難しさがある.また,低肺機能症例,ステロイド使用症例もあり手術成績は一般に不良である.当施設で間質性肺炎に起因する続発性気胸手術8例を経験した.8症例は男性6例,女性2例,平均年齢65.4歳であった.術前状態は,術前からの酸素投与3例,ステロイド投与5例,膠原病合併4例,膿胸合併2例であった.両側気胸症例では,人工心肺による体外式肺補助をスタンバイとした.のべ14手術が施行され,全例通常の分離肺換気下に可能であり,開胸に移行した3手術以外は胸腔鏡下にて施行された.術後人工呼吸器管理を要した症例は4例で,うち2例を間質性肺炎急性増悪による呼吸不全で失った.また,難治性有瘻性膿胸に移行した症例に対して胸腔内大網充填術を施行し治癒しえた1例を経験した.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.24.658