PCR法によるAeromonas sobriaのヘモリシン遺伝子の検出

Aeromonas sobriaの有力な病原因子の一つとしてヘモリシンがある.そこで本実験では, polymerase chainreaction (PCR) 法によってヘモリシンの遺伝子を検出するために, A.sobriaヘモリシン遺伝子 (ASA1, 及びaerAAS) の一部を標的としたプライマーを作製し, 検出を試みた.その結果供試菌株中91%がASA1ヘモリシン遺伝子を保有しており, 23.4%がaerAASヘモリシン遺伝子を保有していた.また, A.sobria以外のAeromonas属細菌, Plesiomonas属細菌, Vibrio属細菌についても同様に検出を試みた結果, い...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 70; no. 12; pp. 1266 - 1270
Main Authors 沖津, 忠行, 金森, 政人, 島田, 俊雄, 伊藤, 健一郎, 森田, 耕司, 渡辺, 登, 山井, 志朗, 渡辺, 治雄, 柴田, 幹良, 和田, 博志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 20.12.1996
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi1970.70.1266

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Summary:Aeromonas sobriaの有力な病原因子の一つとしてヘモリシンがある.そこで本実験では, polymerase chainreaction (PCR) 法によってヘモリシンの遺伝子を検出するために, A.sobriaヘモリシン遺伝子 (ASA1, 及びaerAAS) の一部を標的としたプライマーを作製し, 検出を試みた.その結果供試菌株中91%がASA1ヘモリシン遺伝子を保有しており, 23.4%がaerAASヘモリシン遺伝子を保有していた.また, A.sobria以外のAeromonas属細菌, Plesiomonas属細菌, Vibrio属細菌についても同様に検出を試みた結果, いずれからもヘモリシン遺伝子が検出されなかったことから, ASA1, aerAASヘモリシン遺伝子を標的としたPCR法が, A.sobriaを同定するうえで有効であり, A.sobria感染症の迅速診断法として有用であると考えられた.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.70.1266