嚢胞形成を伴った乳腺悪性腺筋上皮腫の1例

症例は74歳,女性.主訴は右乳房C領域に3×3cmの腫瘤.マンモグラフィーでは右外上に中心が低濃度の局所非対称性陰影(FAD)を認め,カテゴリー3,超音波検査では類円形,嚢胞状で内部不均一な腫瘤を認めた.穿刺細胞診では乳癌疑い.針生検組織診ではinvasive ductal carcinoma,scirrhousの診断を得た.右乳房切除術および腋窩郭清を行った.病理組織学的には大きな嚢胞壁から周囲にむかい,異型的な多稜形細胞が増生,胞巣状に浸潤する悪性腫瘍を認めた.免疫組織学的に悪性腺筋上皮腫と診断.主病巣の周囲に良性の腺筋上皮腫があり,その悪性化したものと考えた.術後2年まで再発,転移の徴な...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 72; no. 10; pp. 2501 - 2506
Main Authors 佐藤, 達郎, 安井, 章裕, 青野, 景也, 林, 祐次, 原, 一夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2011
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Summary:症例は74歳,女性.主訴は右乳房C領域に3×3cmの腫瘤.マンモグラフィーでは右外上に中心が低濃度の局所非対称性陰影(FAD)を認め,カテゴリー3,超音波検査では類円形,嚢胞状で内部不均一な腫瘤を認めた.穿刺細胞診では乳癌疑い.針生検組織診ではinvasive ductal carcinoma,scirrhousの診断を得た.右乳房切除術および腋窩郭清を行った.病理組織学的には大きな嚢胞壁から周囲にむかい,異型的な多稜形細胞が増生,胞巣状に浸潤する悪性腫瘍を認めた.免疫組織学的に悪性腺筋上皮腫と診断.主病巣の周囲に良性の腺筋上皮腫があり,その悪性化したものと考えた.術後2年まで再発,転移の徴なく,経過観察中である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.72.2501