腹腔鏡下手術を行った結腸膀胱瘻を伴うS状結腸憩室炎の1例
症例は32歳, 男性. 2004年11月から腹痛, 下痢を反復し, 他院で胃腸炎の診断で治療されていた. 2005年6月, 腹痛の増強と尿混濁が出現. 精査で, S状結腸憩室炎による結腸狭窄と結腸膀胱瘻と診断した. 結腸膀胱瘻は, 注腸検査, 膀胱鏡検査では示現されず, 服用した薬用炭が尿中に排出されたことで確定診断した. 2005年7月腹腔鏡補助下S状結腸切除術を施行. 術後, 軽度の腸炎となったが軽快し, 第17病日に退院. 現在まで腹部症状無く経過している. 本症例は, 吻合のために結腸脾弯曲部の授動を要したため, 開腹で行った場合大開腹にならざるを得ない. 腹腔鏡下手術の低侵襲性が活か...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 68; no. 10; pp. 2553 - 2557 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2007
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Summary: | 症例は32歳, 男性. 2004年11月から腹痛, 下痢を反復し, 他院で胃腸炎の診断で治療されていた. 2005年6月, 腹痛の増強と尿混濁が出現. 精査で, S状結腸憩室炎による結腸狭窄と結腸膀胱瘻と診断した. 結腸膀胱瘻は, 注腸検査, 膀胱鏡検査では示現されず, 服用した薬用炭が尿中に排出されたことで確定診断した. 2005年7月腹腔鏡補助下S状結腸切除術を施行. 術後, 軽度の腸炎となったが軽快し, 第17病日に退院. 現在まで腹部症状無く経過している. 本症例は, 吻合のために結腸脾弯曲部の授動を要したため, 開腹で行った場合大開腹にならざるを得ない. 腹腔鏡下手術の低侵襲性が活かされた症例と考える. 本邦でも, 大腸憩室炎に対する腹腔鏡下手術が増加しているが, 結腸膀胱瘻を形成している場合開腹手術が選択される事が多いと思われる. 同様の病態に対し, 腹腔鏡下手術も選択肢の一つとしてよいと考える. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.68.2553 |