保存的治療にて軽快した門脈ガス血症を呈したS状結腸憩室炎の1例
症例は80歳,女性.主訴は下腹部痛.2009年6月下旬の午後4時半頃,畑仕事をしていて突然下腹部に痛みを自覚し,午後7時に当院受診.受診時,発熱はなく,腹部の圧痛は軽度であり,反跳痛,筋性防御認めなかった.受診時の採血結果ではWBC 6,900/μl,CRP 0.1mg/dlと正常範囲内であった.腹部造影MDCT検査で,肝内門脈ガス(portal venous gas以下PVG),S状結腸憩室を認めた.同日,総合病院の外科紹介入院.絶飲食,補液,抗生剤(IPM/CS)投与で,症状軽快,第1病日施行したCT検査で,門脈ガスは消失した.その後の経過も問題なく,第13病日退院となった.以後再発もなく...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 71; no. 12; pp. 3162 - 3165 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2010
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.71.3162 |
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Summary: | 症例は80歳,女性.主訴は下腹部痛.2009年6月下旬の午後4時半頃,畑仕事をしていて突然下腹部に痛みを自覚し,午後7時に当院受診.受診時,発熱はなく,腹部の圧痛は軽度であり,反跳痛,筋性防御認めなかった.受診時の採血結果ではWBC 6,900/μl,CRP 0.1mg/dlと正常範囲内であった.腹部造影MDCT検査で,肝内門脈ガス(portal venous gas以下PVG),S状結腸憩室を認めた.同日,総合病院の外科紹介入院.絶飲食,補液,抗生剤(IPM/CS)投与で,症状軽快,第1病日施行したCT検査で,門脈ガスは消失した.その後の経過も問題なく,第13病日退院となった.以後再発もなく経過良好で,2010年7月現在当院外来通院中である.今回,保存的治療にて軽快した門脈ガス血症を合併したS状結腸憩室炎の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.71.3162 |