脊椎手術周術期合併症 硬膜損傷,硬膜外血腫,深部SSIについて

脊椎手術1475例,男性934例,女性541例を対象に硬膜損傷,硬膜外血腫,深部SSIに関して検討した.硬膜損傷は全体で1.8%に認め,腰椎が23例(88.5%)で最も多く,硬膜損傷群と対照群で手術時年齢はそれぞれ72.7歳(47歳~87歳),66.1歳(14歳~92歳)で有意差を認めた.硬膜外血腫は1.1%に認め,胸腰椎の発生頻度が高かった.手術時間は145.2分(72分-269分)と113.2分(22分-562分)で有意に血腫再手術群が長かった.オッズ比では,ワルファリン13.6,脳梗塞9.6,透析4.1の順に関連性を認めた.深部SSIは12例(0.8%)に認めた.オッズ比は高血圧4.9,...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 66; no. 4; pp. 754 - 757
Main Authors 阿部, 靖之, 田上, 学, 井上, 哲二, 吉野, 孝博, 福田, 和昭, 水溜, 正也, 畠, 邦晃
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2017
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.66.754

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Summary:脊椎手術1475例,男性934例,女性541例を対象に硬膜損傷,硬膜外血腫,深部SSIに関して検討した.硬膜損傷は全体で1.8%に認め,腰椎が23例(88.5%)で最も多く,硬膜損傷群と対照群で手術時年齢はそれぞれ72.7歳(47歳~87歳),66.1歳(14歳~92歳)で有意差を認めた.硬膜外血腫は1.1%に認め,胸腰椎の発生頻度が高かった.手術時間は145.2分(72分-269分)と113.2分(22分-562分)で有意に血腫再手術群が長かった.オッズ比では,ワルファリン13.6,脳梗塞9.6,透析4.1の順に関連性を認めた.深部SSIは12例(0.8%)に認めた.オッズ比は高血圧4.9,透析4.2で関連を認めた.硬膜損傷は高齢者に多く,変性変化との関連が示唆された.手術時間の延長,ワルファリン内服,胸椎レベル,脳梗塞の既往,透析患者は術後硬膜外血腫に注意を要する.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.66.754