インフリキシマブによるCrohn病治療の有用性─再手術・患者満足度・医療経済の観点から

Crohn病に対するインフリキシマブ治療の臨床効果,患者満足度,医療経済評価を明らかにする目的で,自験例の後ろ向き解析と患者質問票調査ならびに直接・間接的費用調査を行った.臨床効果は「やや有効」以上が91%であり,導入後は手術回数が有意に減少した.患者質問票調査では,生活・就学・就業面で70%前後の患者が改善したと回答し,インフリキシマブ治療が改善に有意に関連したと考えていた.直接・間接的費用調査では,1人・年あたり463,000円~1,295,000円余分にかかったと算出された.インフリキシマブの反復維持投与が標準治療となりつつある現在,臨床効果がすぐれた本治療法が医療経済的にどこまで容認で...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 69; no. 12; pp. 3061 - 3068
Main Authors 小山, 洋伸, 植木, ひさよ, 小林, 敬明, 佐藤, 和典, 松岡, 弘芳, 武井, 宏一, 杉山, 政則, 跡見, 裕, 正木, 忠彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2008
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.69.3061

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Summary:Crohn病に対するインフリキシマブ治療の臨床効果,患者満足度,医療経済評価を明らかにする目的で,自験例の後ろ向き解析と患者質問票調査ならびに直接・間接的費用調査を行った.臨床効果は「やや有効」以上が91%であり,導入後は手術回数が有意に減少した.患者質問票調査では,生活・就学・就業面で70%前後の患者が改善したと回答し,インフリキシマブ治療が改善に有意に関連したと考えていた.直接・間接的費用調査では,1人・年あたり463,000円~1,295,000円余分にかかったと算出された.インフリキシマブの反復維持投与が標準治療となりつつある現在,臨床効果がすぐれた本治療法が医療経済的にどこまで容認できるかについて,費用効用分析などの手法を用いた検討が今後必要になると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.69.3061