嚢胞内出血を起こした巨大肝嚢胞の1切除例

嚢胞内出血を伴う肝嚢胞は稀である. 症例は50歳, 女性. 腹部膨満感を主訴に来院した. 腹部超音波検査で肝内側区域に, 内部に高エコーの乳頭状隆起性病変を伴う巨大な嚢胞性腫瘤がみられた. MDCTでは腫瘤内部はlow densityで, 7mm大の壁在結節を認めた. MRIでは高信号でやや不均一であった. 血液検査では血小板減少 (10.8×104/μl), 肝機能障害およびCA19-9の高値 (107U/ml) を認めた. 肝嚢胞腺癌の診断で肝左葉切除術を行った. 嚢胞性腫瘤の最大径は12cmで, 内面は平滑で内腔は血腫で充満していた. 病理学的に悪性所見はなく, 出血を伴う肝嚢胞と診断さ...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 68; no. 12; pp. 3072 - 3076
Main Authors 新谷, 恒弘, 嶋田, 俊之, 中山, 隆盛, 白石, 好, 森, 俊治, 磯部, 潔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2007
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.68.3072

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Summary:嚢胞内出血を伴う肝嚢胞は稀である. 症例は50歳, 女性. 腹部膨満感を主訴に来院した. 腹部超音波検査で肝内側区域に, 内部に高エコーの乳頭状隆起性病変を伴う巨大な嚢胞性腫瘤がみられた. MDCTでは腫瘤内部はlow densityで, 7mm大の壁在結節を認めた. MRIでは高信号でやや不均一であった. 血液検査では血小板減少 (10.8×104/μl), 肝機能障害およびCA19-9の高値 (107U/ml) を認めた. 肝嚢胞腺癌の診断で肝左葉切除術を行った. 嚢胞性腫瘤の最大径は12cmで, 内面は平滑で内腔は血腫で充満していた. 病理学的に悪性所見はなく, 出血を伴う肝嚢胞と診断された.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.68.3072