肺原発多形癌25切除例の検討

肺癌の中で稀な組織形態を示し予後不良とされる肺原発多形癌について手術成績を解析し臨床的意義を明らかにした.対象と方法:1999年1月から2008年12月までに当科で根治手術を施行した肺原発多形癌25例を検討した.結果:男性22例,女性3例で平均年齢は64.5歳であった.腫瘍径の平均は51.3mmであり,特に50mmを越えるものは44%を占め径の大きなものが多かった.腫瘍占拠部位は右上葉(56%)が最も多く,次は左上葉(28%)で上葉発生がほとんどであった.術式は肺葉切除術が22例,その他3例であった.病理病期はp I A期3例,p I B期10例,p II B期6例,p III A期2例,p...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 24; no. 2; pp. 156 - 161
Main Authors 濱中, 和嘉子, 濱武, 大輔, 宮原, 聡, 白石, 武史, 加藤, 文章, 吉田, 康浩, 柳澤, 純, 岩崎, 昭憲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2010
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.24.156

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Summary:肺癌の中で稀な組織形態を示し予後不良とされる肺原発多形癌について手術成績を解析し臨床的意義を明らかにした.対象と方法:1999年1月から2008年12月までに当科で根治手術を施行した肺原発多形癌25例を検討した.結果:男性22例,女性3例で平均年齢は64.5歳であった.腫瘍径の平均は51.3mmであり,特に50mmを越えるものは44%を占め径の大きなものが多かった.腫瘍占拠部位は右上葉(56%)が最も多く,次は左上葉(28%)で上葉発生がほとんどであった.術式は肺葉切除術が22例,その他3例であった.病理病期はp I A期3例,p I B期10例,p II B期6例,p III A期2例,p III B期4例であった.治療成績は3年生存率が63.3%,5年生存率は43.6%であった.結語:多形癌は予後不良とされているが,リンパ節転移を伴わない症例は手術により良好な予後を得ることができると考えられた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.24.156