術前CEA正常値を示した非小細胞肺癌の術後経過観察におけるCEA測定の意義

【目的】術前CEA正常値の非小細胞肺癌症例に対して術後経過観察におけるCEA測定の意義について検討した.【対象と方法】対象は2003年1月から2007年10月の間に当院で切除した非小細胞肺癌症例のうち術前CEAが正常範囲内であり術後も定期的にCEAを測定した40例.術後早期(術後1ヵ月から半年)から術後後期(術後半年から2年)におけるCEAの変動と予後について検討した.【結果】術後早期から後期にかけてCEAが上昇した群(9例)は不変群(31例)に比べて有意に無再発生存期間が短かった(p<0.0001).多変量解析の結果においても独立した再発予測因子であった(p=0.0014).また術後後期CE...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 25; no. 5; pp. 485 - 490
Main Authors 前田, 愛, 湯川, 拓郎, 保田, 紘一郎, 平見, 有二, 清水, 克彦, 中田, 昌男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2011
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.25.485

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Summary:【目的】術前CEA正常値の非小細胞肺癌症例に対して術後経過観察におけるCEA測定の意義について検討した.【対象と方法】対象は2003年1月から2007年10月の間に当院で切除した非小細胞肺癌症例のうち術前CEAが正常範囲内であり術後も定期的にCEAを測定した40例.術後早期(術後1ヵ月から半年)から術後後期(術後半年から2年)におけるCEAの変動と予後について検討した.【結果】術後早期から後期にかけてCEAが上昇した群(9例)は不変群(31例)に比べて有意に無再発生存期間が短かった(p<0.0001).多変量解析の結果においても独立した再発予測因子であった(p=0.0014).また術後後期CEAが正常範囲内であっても術後前期から後期にかけて上昇した群においては5例中3例が再発していた.【結論】術前CEA値が正常範囲内であっても術後のCEAの動向は術後再発の指標となり,その定期的測定は有用と思われる.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.25.485