成人発症のB型肝炎ウイルスに関連したGianotti-Crosti症候群の1例
症例は45歳,男性.2008年12月下旬より両側下肢から始まる皮疹が出現し,全身へ拡大した.肝機能障害を認め,HBs抗原120.4 S/Nで,IgM-HBc抗体は1.4 indexと軽度上昇,HBe抗原202.3 S/CO,HBe抗体0.0%,IgG-HBc抗体は原液96.0%,200倍希釈16.4%でありB型急性肝炎と診断した.また経過から皮疹はB型急性肝炎に伴うGianotti-Crosti症候群と診断した.入院にて,肝炎の改善とともに皮疹の消退を認めた.Gianotti-Crosti症候群は小児に多く,成人では比較的稀と認識されているが,成人での報告もある.近年,本邦では稀であった成人の...
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Published in | 肝臓 Vol. 51; no. 11; pp. 615 - 619 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
2010
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.51.615 |
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Summary: | 症例は45歳,男性.2008年12月下旬より両側下肢から始まる皮疹が出現し,全身へ拡大した.肝機能障害を認め,HBs抗原120.4 S/Nで,IgM-HBc抗体は1.4 indexと軽度上昇,HBe抗原202.3 S/CO,HBe抗体0.0%,IgG-HBc抗体は原液96.0%,200倍希釈16.4%でありB型急性肝炎と診断した.また経過から皮疹はB型急性肝炎に伴うGianotti-Crosti症候群と診断した.入院にて,肝炎の改善とともに皮疹の消退を認めた.Gianotti-Crosti症候群は小児に多く,成人では比較的稀と認識されているが,成人での報告もある.近年,本邦では稀であった成人のB型急性肝炎からの慢性化が増加しており,B型急性肝炎を適切に診断することは重要である.肝炎の症状が軽微な症例もあるため,Gianotti-Crosti症候群のように特徴的な症状をみた場合は注意が必要である. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.51.615 |